宇宙探偵マグナス・リドルフ

宇宙探偵マグナス・リドルフ (ジャック・ヴァンス・トレジャリー)ジャック・ヴァンスによるユーモアSFである。
主人公である白髭の老紳士マグナス・リドルフは、宇宙探偵というよりもトラブルシューターである。
顧客からの依頼を受けて、またはたまたま巻き込まれて、リドルフ独特のセンスで問題を解決する。
しかし、問題が拡大することも多く、彼自身がトラブルを作っている気もする。
欲深い関係者をやりこめるリドルフの活躍は、読んでいて心地よい。

本書は、1940年代から50年代に書かれたSFなので、科学的な考証は現代から見るといささか怪しいところがある。
しかし、それゆえに異星人たちの造形は奔放で、その姿を想像すると楽しくなって来る。
また、リドルフは様々な惑星を訪問するのだが、それらの惑星の景観の描写が素晴らしい。
読者の想像力を試される文章ではあるが、架空世界の観光案内としても楽しめる。

本書に収録されているリドルフの冒険は以下の通り。

ココドの戦士
アリのような異星人が殺し合うのを賭博として楽しむ観光客に対して、リドルフが彼らしい方法で介入する。

禁断のマッキンチ
謎の支配者マッキンチをリドルフが探し出す。

蛩鬼乱舞
リドルフは確実に儲かる土地を格安で売りつけられるが、そこには凶暴な生物が生息していた。
リドルフは、状況を逆手に取る方法を思いつく。

盗人の王
盗人ばかりの星で、リドルフは必要な資源を買い付けるために、彼らの習俗を利用する。

馨しき保養地
保養地として開発された惑星には、人間をも喰らう生物が出没するようになってしまった。
解決を依頼されたリドルフは、現地民の生態に目をつける。

とどめの一撃
密室とも言える宇宙ステーションの中で殺人事件が発生した。
たまたま居合わせたリドルフは、犯人探しを依頼される。
様々な異星人の居る宇宙ステーションの中で、犯人は意外な人物だった。

ユダのサーディン
サーディンという魚の缶詰に不審物が同梱される事件の捜査をリドルフが依頼された。
工場のある星を訪れた彼は、サーディン漁の巧みな方法の真実を知る。
しかし、その方法こそが事件の原因だった。
リドルフは思わぬ方法で事件を解決する。

暗黒神降臨
惑星アズルでは、特定の採掘場でだけ作業員全員が行方不明になってしまった。
事件の解決を依頼されたリドルフは、自身も行方不明になるリスクを犯して謎を解明する。
原因は、天文学的な問題だった。

呪われた鉱脈
ある採掘地で作業員の殺人が発生した。
人が入れそうもない場所でも、ひとりで居た作業員が殺されてしまうのだ。
殺人が起こるのは決まった採掘地で、もうひとつの採掘地では作業員が殺されることがない。
捜査に訪れたリドルフは、犯人が人間ではないことに気がつく。

数学を少々
お金に困ったリドルフは、得意の数学を活かしてカジノで大儲けをする。
しかし、カジノの元締めに目を付けられ、無理難題を押し付けれれる。
それをまた、機転を利かせて、相手をやり込めるのだった。

マグナス・リドルフは、しばしば金欠に陥る。日常の支出が大きいくせに、これといった定収入がないのに加えて、日々の仕事に努めることもせず、そのくせどんなルーティン・ワークも好まない質なので、どうしても手元不如意になりやすい。

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