ゴーストスナイパー

ゴースト・スナイパー 上 (文春文庫)事故で首から下が動かせなくなってしまった元鑑識のリンカーン・ライムが活躍する人気サスペンス・シリーズ。
本作では、ライムの手術が成功し、ある程度までは身体の自由が効くようになった。
しかし、犯罪の現場は海外。
ニューヨークに拠点を構えるライムにとっては、難しい事件だった。

まず驚いたのは、ライムの回復ぶりである。
手術が成功したお陰で、握力こそないものの、握手まで出来るようになった。
自転車型のトレーニングマシンでトレーニングをしているのもスゴい。
自分の意志で足を動かすことは出来ないが、電気刺激で足を動かし、体力の維持が図れるのだ。
ライムの身体が回復するのは素直に嬉しいが、そうすると、他の探偵小説と比べた場合の独自性が薄れてくるのが心配になる

今回の犯罪は遠距離射撃である。
トリックが分かってしまえば、とても現代的で、あり得る話だと思えてくるが、この方法を使った探偵小説を私は知らない。
テクノロジーの発達によって、ミステリーがSFに近づいてきた感じである。

敵が全くの悪人ではないのが、このシリーズでは珍しい。
やっていることは人非人だが、憎めない要素を残している。
敵の殺人犯が料理にこだわりがあるのが面白い。
料理と犯罪小説は相性が良いのかもしれない。

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