限界点

限界点 上 (文春文庫)ディーヴァーのノンシリーズである。
リンカーン・ライム達が登場しないので、キャラ的に地味な感じは否めない。
緻密な書き込みと読者を裏切る展開は健在である。
ラストにシリーズ化されなかった原因であろうと思われる秘密が明らかになる。
このような裏切り方もあるのか、と感心させられる。

本作は、、アメリカの警護組織とプロの犯罪者の熾烈な戦いを描いてる。
主人公は、狙われた人々を警護するプロである。
対する敵方は、「調べ屋」と呼ばれる対象を捕まえ、情報を引き出すために拷問するプロである。
主人公の師匠が、同じ「調べ屋」に殺されたという因縁がある。

何らかの秘密を握る警察官が狙われ、家族ぐるみで隠れることになる。
しかし、実際のターゲットは家族の別の人ではないか、と次々に疑われる展開がディーヴァーらしい。

首から下が動かない元監察官のリンカーン・ライムなどと違って、主人公に華がない。
ゲーム、特にボードゲームが好きなことが特徴ということくらい。

一件落着の後に、もうひとつの秘密が明らかになる。
この秘密が分かってしまうと、続編は難しいかもしれない。

オースティンのある大会で知り合った競技者仲間に、DEA(麻薬取締局)の捜査官がいた。
彼はサインカッターー発見した物理的痕跡をもとに人を追跡する専門家で、おもに不法移民や密輸業者の行方を追っていたのだが、私は彼の影響でその世界に惹き込まれた。
オリエンテーリングとちがって、サインカッティングには競技がない。
しかし、国境警備隊やDEAでは定期的な講習がおこなわれていて、この友人のはからいで私もそこに参加する機会に恵まれた。

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