CIOハンドブック

図解CIOハンドブック 改訂5版CIO向けの網羅的なガイドブック。
NRIらしく、扱っている範囲は広く、まとまっている。
姑息なまでに時事ネタが入っている。
「デジタル」という新しい括りに違和感がある。
しかし、本来IT部門がやるべきことが出来てこなかったので、独立させたのも分からなくはない。

CIO及びIT部門の業務に「デジタル」という括りで、現代的な活動を定義している。
まずは、「デジタル時代の競争力強化」では、以下のような活動を提唱している。

1.顧客体験価値の向上
デジタル技術をマーケティングに活用し、顧客を「個」客とと捉え、体験の向上により商品価値を高める。

2.デジタルによるビジネスモデルの変革
a.付加価値の向上
センサーを使った情報の収集と分析結果に基づく、提案やサービスの差別化
b.販売機会の拡大
今までには無かった販売機会を作る(AIスピーカーによる発注)
c.新たな収益機会の創出
資源の活用データを利用し、利用単位を小さくし、稼働率を上げる(民泊、倉庫貸出)
d.新たなサービスやビジネスモデルの創出
売り切りだった商品をセンサーで監視することにより利用状況に応じて課金

3.デジタル活用による業務改革
センサー等で収集したデータを分析・予測し、現場業務を最適化する。
業務の効率化ー生産性の向上
業務の高度化ー業務品質・精度の向上
変化への対応力の向上ー俊敏性・柔軟性の向上

4.デジタル変革を支えるERPの高度化
業務領域のデータのリアルタイム分析
a.決算の早期化
b.出荷業務の効率化
c.マスカスタマイゼーションの実現(カスタマイズ製品の受注)

5.経営インテリジェンスの創造
経営判断を的確かつ迅速に行う上で必要となる情報や知見を生み出す

6.働き方・コミュニケーションの改革
「柔軟な働き方」を実現
 時間・場所などの制約の排除
 コミュニケーション手段の多様化
「生産性の向上」を実現
 業務の自動化、省力化
 知識・ナレッジの活用

それ以外にも、以下のような活動を提唱している。

デジタル時代のITマネジメント
・ビジョン・戦略
・ITガバナンス
・投資・コスト管理
・組織・人材管理
・ソーシング管理
・組織風土改革

デジタル時代のITケイパビリティ(企業が持つべき能力)
・デジタル化テーマの創出
・超上流デザイン
・アナリティクスの実践
・デジタルデータ活用基盤の構築
・デジタルビジネスを支える先端IT
・デジタルビジネスを実現する開発手法
・ITサービス管理
・ITサービスの継続的な改善

色々と納得のいかない部分もあるが、ITコンサルタントのネタとしては、とても良い本である。

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