巨神覚醒

巨神覚醒〈上〉 (創元SF文庫)前作「巨人計画」は、日本のアニメのような設定をリアルな描写とスピーディーな展開で語った名作だった。
今回は、ついに敵ロボットが現れ、ロボット同士の戦いになる。
本作も期待を裏切らない。

出し惜しみなく、冒頭からロンドンにロボットが出現する。
その目的が分からぬまま、世界は固唾をのんで見守るしかない。
敵ロボットに人類の兵器は役に立たないので、対抗手段は発掘し、組み立てたロボット・テーミスを使うしかないが、人類は誤った選択をする。

前回のラストで復活したローズ・フランクリン博士が大きなテーマとなる。
一度死んだはずの彼女は、自分が本当にローズなのか悩み、苦しむ。
なぜ、彼女は復活させられたのか?
この謎が面白い。

前作に続き本作も脚本形式なので、サクサク読める。
ロボットである必然性はあるのか?など疑問を持っている暇のない、怒涛の展開である。
たくさんのロボットが出てくるわりには、攻撃が地味な気がする。
既に決定している映像化に不安が残る。

プロジェクトの推進者である「インタビュアー」のキャラが良い。
冷徹だが、どこまでも話し方は丁寧。
たまに人間性が垣間見える。
彼と彼の組織の謎が本作で明らかになる。

本作から登場する少女「エヴァ」の名前が、「エヴァンゲリオン」から来ているというのも微笑ましい。

主要キャラクターを消費してしまい、次回作は大丈夫か心配になる。
[amazonjs asin=”4488767036″ locale=”JP” title=”巨神覚醒〈上〉 (創元SF文庫)”]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です