彼女がエスパーだったころ

彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)この頃の日本のSF作家もなかなか面白いものを書いている。
そんな中で注目している作家の一人が宮内悠介である。
本書は、宮内悠介の少し前の短編集だ。
エスパーテーマというよりも、超常現象の解明が中心になっている。
この頃、新しい人の名前が覚えられないのが困ったものだ。

本書では、超常現象の解明がテーマになっている。
超常現象を騙った詐欺を暴くだけでなく、その背後にある人間の欲求(というか憧れ)を扱っているのが面白いところだ。
普通の短編集だと思っていたら、ルポライターを主人公にした連作短編だった。
本書には、以下の6本が収録されている。

百匹目の火神
 猿が火を使えるようになったことによる災害と原因
彼女がエスパーだったころ
 超能力を使える女性に対する殺人事件の疑惑
ムイシェキンの脳髄
 暴力衝動を抑える新しい療法の弊害
水神計画
 純粋な水を信仰する新興宗教とテロ
薄ければ薄いほど
 ホスピスにおける無我の思想
沸点
 新興宗教と社会改革をソ連崩壊に絡める

面白い視点の話もあるが、全体的に印象が薄かった。

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