ハリー・オーガスト、15回目の人生

ハリー・オーガスト、15回目の人生 (角川文庫)このごろ日本映画やラノベでも多い、一度死んで生まれ変わるパターンの小説である。
ただ、そのような現象に見舞われるのは主人公だけではなく、数は多くないが、同様の能力を持つものが世界中に居て、お互いを支援する組織を作っている、というスケールの大きい作品になっている。

彼らは5歳くらいから過去の記憶がよみがえり、2回めの人生では精神病院に入れられるか、自殺することが多い。
そのようなことが無いよう、生まれ変わった子供を保護し、支援する相互扶助の組織を作っている。

そして、なるべく歴史に介入しないようにしている。
かつて歴史に介入し、結果として大きな悲劇を生んでしまったことを教訓にしている。
しかし、大幅に科学技術を進め、自分たちの存在理由を発見しようとするものが現れる。
主人公と組織は彼を止めようとするが、反撃に合い、世界中の組織が存続の危機に陥る。

クレア・ノースの「接触」が面白かったので、同じ作者の本作を読んでみた。
「接触」は、人に触ることで意識を乗っ取ることができる存在の小説で、ほとんど死ぬことがないので、本作と同じように時間旅行のような雰囲気がある。
アクション小説として、恋愛小説として、「接触」の方が面白かったと思う。

[amazonjs asin=”4041030110″ locale=”JP” title=”ハリー・オーガスト、15回目の人生 (角川文庫)”]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です