小説仮面ライダー響鬼

amazonで評判の良い平成仮面ライダーの小説版。
「クウガ」も良かったが、「響鬼」はさらに盛り上がった。
舞台が江戸時代なので、映画版響鬼のような展開を想像したが、そうではなかった。
なんと、変身忍者嵐が登場するのだ!

「仮面ライダー響鬼」は、本来「変身忍者」の仮面ライダー版を作る予定だったが、同時期に放送される戦隊モノが忍者だったので見送ったという経緯がある。
その復讐戦というわけではないだろうが、この小説では嵐が登場し、響鬼と共闘する。

とりあえず世界観の違うヒーローが共闘する、という東映まんがまつり的なのりではなく、響鬼と嵐のそれぞれの世界観を背景とし、それらをちゃんと融合させている。

嵐の敵である血車党の化身忍者は、響鬼たちの里を追われた者が作ったというのだ。
そして、その者は嵐の父親である。
父親は騙されただけだと信じる嵐は、父の無念をはらすために血車党戦う。
自分たちの技術が悪用された思う響鬼たちも、服部半蔵率いる伊賀忍者たちと血車党の野望を阻止しようとする。
しかし、意外な敵は恐ろしい力を手に入れていた。

背景の活かし方だけでなく、思わぬ裏切りなど、とても良く出来た話だと思う。
化身忍者と魔化魍の使いかも秀逸である。
映画化すれば良いのに。

魔化魍とはもともとは 悪気 にあてられた 土塊 であり、その土塊が自然界の未知なる力によって巨大な妖怪に変貌したものである。音撃は、その魔化魍の体内に〝清めの音〟と呼ばれる霊気を注ぎ込み、中心の悪気を滅却することで 木っ端微塵 に吹き飛ばす強力な陰陽術であった。

「魔化魍を消す術を編み出すならば、魔化魍が生まれるわけも知らねばならぬ……鬼十はそう考え、人の手で魔化魍を生む方法をいろいろと試していたようだ。それを我らが完成させた。」

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