舞台は、2020年の東京オリンピック後の東京。
移民、教育、産業などの問題を扱っており、遠い未来のSFというよりも、現代の問題をSFの形で分かりやすく提示している。
現代的問題を若いトラブルバスターが解決するのは、池袋ウェストゲートパークに近い雰囲気である。
親の虐待が背景にあるので雰囲気が重いが、パルムドールのアクションの爽快さが救いになっている。
オリンピックの工事のため、東京は膨大な移民を受け入れ、オリンピック後も混沌としたアジアの都市となっていた。
主人公は、過去の名前を捨て、移民の問題を解決するトラブルバスターとして生活していた。
彼は、新進気鋭の実業家が始めた教育特区での問題に巻き込まれる。
当初は移民への違法な扱いかと思われたが、本当の問題は日本人の学生に対する返しきれない奨学金だった。
この問題は、様々な人間の思惑が入り込み、巨大なデモへと発展する。
非常に難しい現代的な問題がテーマだが、悪の黒幕がいないのが救いである。
そして、パルムドールのアクションがカッコいい。
仮部は階段を選ぶ。
踏面を30センチ以上に、一段の高さー蹴上を16センチ以上にしなければなららにバリアフリー法のおかげで、東京都にある屋外施設の階段は、どこも似たうような傾斜がつけられている。東京デュアルの階段はバリアフリー法のぎりぎりを狙った38度だ。仮部は奥歯を噛み締めた。役所と警察だ。邪魔だけはするな、と釘を刺されたのだ。