ある世代の作家たちは、スティーヴン・キングから強い影響を受けている。
恩田陸もその一人らしい。
この作品は、キング初期の傑作「ファイヤースターター」の、彼女なりの描き直しである。
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「フィクション」カテゴリーアーカイブ
雨の日も、晴れ男
「夢をかなえるゾウ」の作者によるファンタジーである。
ティストは絵本に近い。
ビジュアルにも遊んでいる。
主人公が、むかし付き合っていた女性をを思い出すくだりでは、女性の名前だけで12ページも使っている。
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DIVE!!
SF・ホラーファンと矛盾するようだが、スポコンが好きだ。
野球やサッカーの中継にはまるで興味がないくせに、スポコンの漫画や映画には結構やられてしまう。
プールに飛び込むダイブ競技を舞台に、中高生が競うこの小説にも、やはりハマッテしまった。
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ゴールデン・マン
やはりデイックは面白い。
この頃、古典を読んでも楽しめないことが多かったので、感性がすり減ってしまったのかと不安になっていた。
高校、大学を通じて最強のSF作家フィリップ・K・デイックは、いま読んでも十分楽しめた。
まずはひと安心。
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マーダー・プラン
安楽死を提供する通称ドクター・デスが、自ら考案した安楽死装置で惨殺された。
ロス市警のマイロの依頼で、臨床心理医のアレックスは犯人を追う。
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今日の早川さん2(限定版)
本好き(主にSF,次にホラー)による、本好きのためのちょっとイタい漫画、「今日の早川さん」の2巻である。
通常版と限定版があるが、私はamazonで限定版を発注してしまった。
限定版には、ブックカバーと5人娘各バージョンのしおりが付いている。
このブックカバーを付けて電車の中で本を読むと、同類を惹き付けてしまいそうで恐ろしい。
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国芳必殺絵巻流し
要するに、「必殺仕事人!」である。
主人公は、売れない絵師の歌川国芳。
絵筆に仕込んだ針で、悪人を始末する。
仲間に仕事人の組織「嘘屋」の仲間に、遠山の金さんがいるのが面白い。
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のぼうの城
豊臣秀吉が日本を統一する直前の時代、湖の中に浮かぶ小城が石田三成の大軍に襲われた。
しかし、何も出来ない総大将・成田長親をかつぐ忍城は、なかなか落ちなかった。
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薪の結婚
翻訳した小説を読んでいて言うのもなんだが、ジョナサン・キャロルの文章は美しいと思う。
私の知る限り、このように小説を書く作家は、ポール・オースターしかいない。
そのキャロルによる久々の新作である。
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グラスホッパー
相手の背中を押して車や電車に轢かせる「押し屋」、相手を自殺に追い込む「鯨」、非情なナイフ使い「蝉」の3人の殺し屋の物語である。
殺し屋が沢山出て来るが、タランティーノの映画のような派手さはなく、むしろ淡々と進行するハードボイルドだ。
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