ロメロの「ゾンビ」以降、独自のスタイルを確立したゾンビ映画は、「バイオハザード」と「28日後」の2本だと思う。
「28週後」は、その「28日後」の続編である。
「28日後」では、イギリス全土に広がったウィルス「レイブ」に感染した人間が、狂ったように人を襲う地獄絵図が描かれていた。
「28週後」では、感染者達が飢え死した後、アメリカ軍の管理下で復興途中のロンドンが舞台である。
この映画でのゾンビ達は、力いっぱい走って追ってくる。
これはかなり怖い。
走りこんで、持久力を鍛えなければ、と思ってしまう。
また、パニックで逃げ惑う市民とゾンビの判別が難しいため、米軍が無差別に攻撃するしかなくなってしまう。
事件の発端は、ゾンビの群れに襲われたため、妻を残して夫が逃げてしまったことにある。
しかし、状況的には夫に同情出来るところ多分にあるのに、その後の夫の扱いは酷い気がする。
この夫婦と子供たちを中心に物語は展開される。
罪悪感に苛まれる夫の苦悩など、アメリカン・ホラーには見られないナイーブな点を見せながら、倫理的なバランス感覚として、どの辺りに落としこみたいのかよくわからない。
コマーシャル畑出身の監督だけあって、映像は美しい。
ニューヨークや東京だけでなく、廃墟になるとロンドンも、やはり美しい。
感染した夫が妻を殺すシーンは、グロくて見るに耐えない。
だが、ヘリのプロペラでゾンビを虐殺するのは、なかなか斬新な攻撃方法である。
よく出来ているとは思うが、あまりに救いがなく、爽快感もないので、もう一度観たいとは思えない。
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