あまり知られていないが、SFとホラーを融合させた怪作である。
船内の人工ブラックホールを使って時空を折りたたみ、超時空航行を可能にしたイベント・ホライゾン号は、時空を突き抜け、地獄へ行って戻ってきた。
ワープした先が地獄だった、という発想がなんとも馬鹿馬鹿しい。
しかし、映画の内容自体は真剣である。
登場人物達の罪悪感が、過去の人間を実体化するたりは、「惑星ソラリス」を思わせる。
巨大な宇宙船イベント・ホライゾンの内装が、古代の遺跡のようでもあり、城や迷路のようでもあり、ゴシックホラー的ないい雰囲気を出している。
パッと見にはチャチな機関部も、巧い演出で神秘的な場所に見えてくる。
ブリッジでタバコを吸えるなど、近頃では考えられない救命艇の船内は、生活感たっぷりで、イベント・ホライゾン号と良い対比になっている。
監督のポール・W・S・アンダーソンは、この作品の後に「バイオハザード」を監督した。
私の趣味に合った、今後目の離せない監督である。
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