長かった。
モダンホラーの帝王スティーブン・キングの新作は、恐怖小説というより現代文学のようだった。
著名作家の妻であるリーシーは、夫の死から立ち直れず、遺品の整理もなかなか進まない。
そんなリーシーに夫の狂信者がストーカーとなって現れる。
上巻は未亡人の生活が、得意の情報過多のタッチで延々と語られる。
もう一つの世界の存在が仄めかされる辺りはダークファンタジ―だし、ストーカーはサイコめいている。
しかし、なかなか盛り上がらない。
下巻になって夫の家族の異常な過去が、異世界の存在と絡めて語られる。
その異世界の泉こそが、創作の源らしい。
キングは、どこに行きたいんだ?
「ファイアスターター」や「クリスティーン」の頃のキングに、帰って来て欲しいものだ。
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