魔術師

魔術師 上車椅子の探偵、元鑑識のライムが戦う今回の敵は、魔術師である。
科学者であるライムを物理的、心理的マジックで苦しめる。

やはり巧い。
手品師、正しくはイリュージョニストのテクニックや業界用語をうまく犯罪に活かしている。
観客の注意を誤った方向に導くテクニックを、捜査の攪乱に使うところなど、とても面白い。

読者は犯人と作者の誤導に騙されて行く。
犯人の動機や正体は、何重にも隠蔽され、読者は翻弄される。
見事なエンターテイメントだ。

一瞬にして老婆や死体に化け、身体にカギを開ける金属を埋め込んでいる魔術師は、ルパン三世のようである。
もう少し明るいキャラなら、ファンになったのに。

[amazonjs asin=”4167705680″ locale=”JP” title=”魔術師(イリュージョニスト)〈上〉 (文春文庫)”]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です