幼年期の終わり

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)クラークによるSFの名作が、新訳で出版された。
突如現れた、人類を遥かに凌ぐ宇宙人「オーバーロード」によって、世界の紛争は消滅する。
そして、人類は次のステージ、幼年期の終わりへと進化する。
今読んでも傑作だ。

まず感じたのは、ワンポイント・アイディアの美しさだ。
第一部では、突然オーバーロードが登場する。
声でのみ意識を伝える彼等が、どのような姿をしているかに焦点が絞り込まれている。
その秘密を暴こうとする過程は、結果を知っていてもワクワクする。

第二部は、オーバーロードによって閉ざされてしまった宇宙に憧れ、オーバーロードの宇宙船への密航する青年の物語である。
ジュブナイルのような楽しさがある。

第三部では、ついに人類の幼年期が終わる。
人類を超えた子供達が、ためらいもなく親から離れる姿は、ホラーにもなり得るが、クラークは大局的視点で、科学的現象として淡々と描いている。
このようなスケールの大きいSFは、この頃見かけなくなってしまった。

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