ブレイクスルー・トライアル

ブレイクスルー・トライアル (宝島社文庫)セキュリティシステムで守られた研究所から、マーカーを盗み出せれば賞金1億円。
古典的だが、血湧き肉踊るテーマに、正面から取り組んだ作品である。

この手のテーマでは、チャレンジするチームが、如何に個性的なメンバーかが作品の出来を左右する。
主人公側のチームは、実働隊2人と、バックアップ2人と少ない。
実働隊である主人公と大学時代の親友との、友情の再生もひとつのテーマになっている。
犯罪小説のような設定だが、2人の関係は、なかなか爽やかである。
主人公の背景は意外ではあるが、現代日本ではありえない気もする。

あまり人が傷つくこともなく、全体的に上品な犯罪小説に仕上がっている。
ただ、トラップ突破の難しさや、建物の構造が実感出来なかったのが残念である。
セキュリティ関係のしかけはリアリティがあり、今後に期待できる新人だと思う。

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