八十日間世界一周

八十日間世界一周〈上〉 (光文社古典新訳文庫)古典には2種類ある。
いつの時代に読んでも楽しめる作品と、いま読むには辛い作品である。
誰もがタイトルだけは知っているであろう「80日間世界一周」は、いつの時代でも楽しめるエンターテーメントだった。

1872年のロンドン、フォッグス氏は鉄道や船を使えば80日間で世界一周は可能だと宣言し、フランス人の召使いパスパルトゥーを連れて、世界一周の旅に出る。
しかし、理論的には可能でも、実際には様々なトラブルが2人を襲い、80日間での世界一周を危うくする。
更に、フォッグス氏を銀行強盗だと信じて追いかける刑事の存在が、事態をややこしくする。

当時開通したばかりのアメリカ大陸横断鉄道や、豪華なフェリーなどを使った世界旅行は、優雅な観光ガイドのようである。
80日に間に合わせるために、象や雪の上を風を受けて走るヨットのような乗り物を駆使し、果ては乗務員をそそのかして船を反乱まで起こしてしまう。
最後のオチも、それこそ古典的であるが、気が利いている。

何よりも面白いのは、主人公フォッグ氏のキャラクターである。
数学をこよなく愛し、常に冷静。
というか、何を考えているよくわからないが、常に自信たっぷりである。
義務を忘れぬ紳士であり、心優しいようのだろうが、言動からはなかなかわからない。
その彼が、次々とピンチを乗り越えて行く姿は壮快である。

古典も捨てたものではない。

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