あまりにテレビシリーズが面白かったので、つい原作に手を出してしまった。
本格推理のお約束を守らざる得ない世界に住む名探偵が、自分の状況に愚痴をいいながら解決にしていく短編シリーズが「名探偵の掟」である。
テレビ版の基本的な流れは、驚くほど原作通りだった。
後で見直してみると、同じ台詞もあったりする。
見た目はカッコいいテレビ版と違い、小説版は金田一耕助のイメージである。
しかし、どうしてもテレビ版のイメージが離れない。
「主人公の探偵にフォーリンラブしてしまうかもしれない新米女刑事」が出て来ないのが痛い。
本格推理の掟に抵抗する彼女の姿がとても楽しいし、お約束のラブコメも捨てがたい。
小説も頑張っていると思うが、テレビ版の暴走加減は生半可ではない。
「ガリレオ」といい、東野圭吾の小説は、映像化した方が面白いという珍しいパターンである。
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