軌道エレベーター

軌道エレベーター―宇宙へ架ける橋 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)いつの間にかSFではメジャーなガジェットとなった軌道エレベーターについて、1冊まるまる解説している。
1997年に出版された本の文庫化だが、今読んでも十分に熱い本である。

ロケットのように化学燃料を使わず、エレベーターで宇宙まで行ける軌道エレベーターは、とてもエコで、人類の夢の交通機関である。
クラークの「楽園の泉」を始め、SFでは古くから扱われている巨大な建築物について、力学、素材、建築方法の観点から、科学的に解説している。
石原藤夫のことなので、当然のように数式を使って説明している。
そこをスキップしても、軌道エレベーターの壮大さとリアリティは堪能出来る。

軌道エレベータは、静止衛星から建設を始め、地表側と宇宙側にバランスを取りながら拡張していく。
空からぶら下げて来るイメージである。
それでも、安定して軌道エレベーターを建設出来る場所は、赤道上にもあまりない。
それを解決するために、複数の軌道エレベーターをスポークのようにリングに繫ぎ、リングの上に都市を建設する。
なんとも雄大な風景である。

他の惑星に軌道エレベーターを建設する計画もある。
火星は軌道エレベーターを建設し易い環境なのだが、低軌道の衛星フォボスが、軌道エレベーターに激突する恐れがある。
それに対するクラークの解決策が、とても優雅である。
軌道エレベータを揺らして、フォボスをかわすと言うのだ。
軌道エレベータから観る通過するフォボスは、火星観光の目玉となるだろうと予言している。
これこそセンス・オブ・ワンダーである。

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