憑神

憑神 (新潮文庫)養子先からの出戻りである主人公は、実家でくすぶる次男坊の侍である。
祈願すれば出世する稲荷があると聞き、酔った勢いでうらさびれた祠に手を合わせたのが不幸の始まりだった。
出世を願ったのに、現れたのは貧乏神だった。

現れた貧乏神は、大店の旦那のような容貌で、とても不幸を呼ぶようには見えない。
この神様とのドタバタ喜劇だと思ったら、そうではなかった。
頭が良く実直な主人公は、自分を陥れた義父に貧乏を押し付けてしまう。

そして、次に相撲取りのなりをした厄病神が現れる。
実家を落ちぶれるにまかせる兄に病を押し付け、自分は当主に収まる。
ひどい男のようだが、周囲の人間は彼の行動に同情こそすれ、非難はしない。
江戸時代の武士の在り方が背景にあるのだが、現代人の私からすると、感覚的に受け入れられない。

最後は死神である。
徳川幕府の崩壊と絡んで、最後の選択が為される。

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