獣の奏者

獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)兵器として育成される巨大な蛇である闘蛇。
闘蛇の治療者であった母は、闘蛇の謎の死の罪で処刑されてしまった。
生き残った幼い娘は、その闘蛇を喰らう王獣の操り手となる。

闘蛇と王獣という異生物を中心とした、骨太のファンタジーである。
間違っても子供向けではない、と思う。
「神の守人」シリーズの上橋菜穂子なので、世界構築がしっかりしている。
それだけで、まず安心して読むことが出来る。

闘蛇と王獣は、古代における象よりも有効な兵器である。
獰猛であり、王獣に至っては空も飛べる。
そして、何より、笛で動きを止めることが出来る。
そのような兵器は、当然政治の道具にならざる得ない。
傷ついた王獣の子供リランを育て、意思が通じるようにまでなったエリンの不幸な運命は、必然でもあった。

心が通じているようでいても、人間と王獣では、見ている世界も考え方も根本的に違う。
この当たり前の現実を、真っ正面から向き合おうとしているファンタジーである。

兵器を背景とした権力闘争と、異生物との共存をテーマにした硬派なファンタジーである。

だから、アニメ版の絵柄には抵抗がある。

続編はハードカバーだけど、きっと買ってしまうのだろうな。

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