夏だから「夏への扉」を読んでみようと思った。
読んでみてわかったのだが、これは夏の話ではなく、タイムトラベルをしてでも夏を探しに行く物語だった。
中高生の時に随分ハイラインは読んだのだが、有名な「夏への扉」は読んでいなかった。
時間モノにありがちなロマンスか、猫の絡んだコテコテの動物偏愛小説かと思っていたのかもしれない。
実際には、天才的な技術者を主人公にした、前向きな冒険小説だった。
相棒の猫が冬場トイレへ行く時に、夏へ続くドアを探すように、主人公は、自分の望む世界を求めて危険なタイムトラベルに挑む。
古典とも言える作品なので、SF的な斬新さはない。
何といっても、主人公が目覚める未来が、2000年なのだから!
しかし、何事もポジティブに捉える主人公の姿が清々しい。
本の帯にある通り「明日は、今日より、ずっといい日になる」なのだ。
1970年代には多くに人が抱いていたこの感覚は、どこに忘れられてしまったのだろうか?
読み方が甘かったのか、何で2回コールドスリープ出来たのか、よくわからなかった。
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