オッド・トーマスの霊感

オッド・トーマスの霊感 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-7)久しぶりにしょうもないホラーを読みたくなって、本屋で本棚を漁った。
そこで見つけたのがクーンツの新作。
幽霊が見える青年が、悲劇を阻止しようと頑張る話のようだ。
ありがちな設定である。
しかし、そこはクーンツ。
クーンツはホラー作家である前に、エンターテナーだった。
期待はしていなかったが、引き込まれる小説だった。

主人公のオッド・トーマスは、南カリフォルニアの小さな町に住む青年である。
望んでいないのに霊が見えてしまい、時には霊の望みをかなえてあげる。
そんな彼は、町に大きな悲劇が降り掛かることを知る。

一人称で書かれた、明るいハードボイルドという雰囲気である。
なぜ明るい語り口かというと、

「明るいトーンでまとめなかったら、わたしの400ポンドの尻できみの上に乗っかってやる。きみのそんなふうに死にたくはないだろう」

と友人の作家に言われたからだ。

だから、次のような感じに書かれている。

もう一度、ぼくはラミネート加工の運転免許書を使ってスプリング錠を開けた。
支払った州の所得税がようやく取り戻せたような気がして嬉しかった。

「なんで銃が怖いの?」彼女はなおも尋ねた。
「たぶん、前世で銃に撃たれて死んだんだ」
「輪廻転生なんか信じていないくせに」
「ぼくは税金も信じていないけど、それでも支払っている」

明るいトーンで語らないと、オッドの家族関係は過酷過ぎるかもしれない。
それでもラストは辛過ぎる。

シリーズ化されたようなので、今後もトッドの控えめな冒険を早く読みたい。

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