妹の依頼で、子供たちを連れて恐竜王国中里へ化石発掘に行くことになった。
旧中里村(現在は神流町)は恐竜で有名なところで、予約すれば化石発掘も出来る。
しかし、化石発掘は地味過ぎて、私には向かなかった。
中里は地図で見ると秩父の少し先だったので、あまり遠い感じはしなかった。
しかし、実際には山道が多く、あまりスピードを出せないので、片道3時間くらいかかってしまった。
恐竜王国中里は、すぐに発見出来た。
近辺には、他に観光名所がないようで、食事をする場所にも困りそうな雰囲気である。
場違いに立派な恐竜王国は、間違いようもなかった。
まだ日本が中国大陸にくっついていた古代、中里は海岸だったそうだ。
そのせいで、多くの化石が残っているらしい。
恐竜王国中里には、本物とレプリカ含めて数多くの化石標本が展示されている。
巨大な恐竜の化石標本は、ジェラシックパークの1シーンのような迫力がある。
また、博物館では定番のビデオによる解説もあるが、映像だけでなく、妙にリアルな博士と恐竜達のロボットも交えた本格派である。
多分実物大だと思うのだが、画面だけより実体で見た方が、遥かに説得力がある。
そうは言っても、この手の展示ではあまり時間は潰れない。
1時間弱で見終わってしまい、13時から予約した化石発掘まで時間が余ってしまった。
それよりも昼飯を食べる場所に困りそうだった。
博物館の食堂では、ちょっと寂しい。
受付のおばさんが、近所でお祭りをやっており、恐竜王国の半券を見せると、食べ放題がタダになる、という情報を得た。
これは行くしかない。
行ってみると、町内会のお祭りよりは、少し大きなイベントだった。
タダだから文句は言えないが、メニューはそばとうどんのみ、それもかなり並んでいる。
舞茸ご飯と椎茸ご飯もあったようだが、売り切れで、次の便の到着待ちのようだった。
ありがたくそばとうどんを頂き、後で発見した自衛隊のブースで豚汁を貰った。
お金を払ってフライドポテトや唐揚げを入手しているうちに、ご飯モノも到着した。
なんだかんだでお腹が一杯になり、発掘現場に向かうことにした。
13時に集合すると、トンカチが配られた。
これで土を掘り返し、岩を砕く。
私と妹は発掘参加の予約をしなかったので、トンカチは貰えなかった。
今回はギャラリーに徹する。
集合場所から少し下ると、発掘現場である。
わりと小さい。
ここで黒い石を探す。
見つけたら水ですすいで、化石かどうか確認する。
ここでは主に、シジミなどの貝の化石が発掘出来るとのことだった。
一通り説明を受けると、各自発掘作業にかかる。
地味な作業である。
子供たちよりも両親の方が真剣に取り組んでいるように見えた。
「化石発掘」という響きには惹かれるが、最低でも三葉虫くらいが対象でないと戦意がわかない。
シジミならみそ汁で飲んだ方が良い。
私は車に戻り、1時間ほど快適な昼寝を楽しんだ。
妹と子供たち2人は、そこそこ楽しんだようだった。
2時間の発掘作業終了後、恐竜の足跡のある岩を眺めて帰った。
紅葉も楽しめたし、ちょっとしたドライブだった。
ただ、子供たちと夕食をマックで食べたので、脂っこくて胃にもたれた。