12番目のカード

12番目のカード〈上〉 (文春文庫)リンカーン・ライム・シリーズの6作目。
今度の敵は、感情の無い殺し屋。
小物かと思たら、念の入ったかく乱のプロだった。
140年前の陰謀も絡めて、あざとさギリギリの職人ディーヴァーの演出が冴える。

140年前の解放奴隷である先祖の事件を調査していた女子高生が襲われた。
幸い暴行は未遂に終ったが、彼女を執拗に犯人がつけ狙う。

事故で首から上とひとつの指以外が麻痺した元鑑識管リンカーン・ライムのシリーズの今回の事件は、歴史の絡んだ犯罪である。
「ダ・ビンチ・コード」以来の歴史ミステリー・ブームを冷やかすような展開が楽しめる。
感情が無い(しかし、感情を求めている)冷徹な殺し屋が、ブラフをかけまくるので、リンカーン・ライム以上に読者は翻弄される。
犯人の目的が歴史的な事件かと思いきや、ただの銀行強盗だったり、実は・・・と、いつも通り、エンターテーナーとしてディーヴァーは徹底していて、読者を飽きさせない。

ライムと口論で一歩も引かないハーレムの女子高生ジェニーヴァの抱える秘密の意外である。
前半は、犯罪よりも、こちらが楽しめる。

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