カーペンターの名作「ニューヨーク1997」の正当な後継者である。
死のウィルスが蔓延したスコットランドは、住民を残したまま封鎖された。
再びウィルスが発生したため、抗ウィルス剤を求めて、凶暴化した生存者の住むスコットランドに凄腕の女戦士が潜入する。
趣味の悪さとセンスの良さが絶妙にミックスされた作品である。
冒頭、封鎖の混乱の中、母親に連れられた女の子が、銃の暴発で片目を撃たれる。
母親の必死の懇願で、女の子だけはヘリで脱出出来た。
まさか、この女の子が成長して、主人公になるのか!?と思ったが、その通りだった。
子供に怪我をさせるだけでも欧米映画では珍しいが、片目の女性を主人公にするとは思わなかった。
甘かった。
片目どころではない。
成長した彼女の義眼は、カメラが仕込まれており、腕時計に画像を表示、リモコンで動く。
これが、とても効果的に使われてる。
このギミックだけでも、この映画は合格である。
昔は、このようにワンポイントだで面白いB級映画が沢山あった気がする。
凶暴化した住民は、何故か、というかお約束で、ハードロックスタイルである。
スコットランドなので、どちらかというとパンクか。
人間を食べるほと飢えているはずなのに、なぜか血色が良く、スタイルも良い。
パンクと次は、騎士が登場する。
そして、古城。
もう、何でもありである。
汽車での逃亡などのアクションシーンは、馬鹿っぽいけど、ドキドキする。
勢いだけのようだが、なんとなく説得力がある。
最後は「ニューヨーク1997」と同じように腐った依頼主へのしっぺ返し、という展開だった。
良く出来ているけど、地味だな、と思っていたら、更にオチがあった。
主人公の女戦士が、実に彼女らしい、自分の居場所を見つける。
クールだ。
この監督のデビュー作である「ドッグ・ソルジャー」を探したが、レンタルされていなかった。
残念。
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