量子コンピュータとは何か?

量子コンピュータとは何か (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)なんだか良く分からないが、SF的響きに魅力を感じる「量子コンピュータ」。
この量子コンピュータについての「最良の入門書」という帯に惹かれて、この本を読んでみた。
結論から言うと、やっぱりわからなかった。
人間にはイメージ出来ないものらしい。

現代のコンピュータがシリコンを使うのに対し、量子コンピュータは計算処理の基礎に原子を使う。
だから、非常に小さいコンピュータを実現出来る。

原子のサイズになると量子力学の法則が支配的になり、我々の常識が通用しなくなる。
量子の状態は、観測されるまで、その状態を確定出来ない。
有名なシュレディンガーの猫では、箱の中の猫は蓋を開けるまで生きているか、死んでいるかわからず、生きており死んでいる状態だ、というあれである。

現代のデジタルコンピュータは、1と0の2つで全ての情報を表現している。
量子コンピュータでは、1つの原子を使って、1と0と、1でもあり0でもある状態の3つを表現出来る。
まず、ここで混乱する。
状態が特定出来なかったら、計算には使えないだろうと思う。
ところが、この3つの状態を表現出来ることで、コンピュータの計算能力が飛躍的に向上するらしい。
その結果、セキュリティ通信の基礎になっている暗号が破られる恐れもあるようだ。

もっと真剣に読めば、わかる部分もあるかもしれないが、量子物理学の世界は、ニュートン物理学の世界で生活する我々には、イメージが出来ない、と著者も言っているので、多分無理なのだろう。
クラーク先生も言うように、進歩した科学技術は魔法と見分けがつかない、のだ。

以下引用

量子スイッチは不思議なことに同時に1と0の両方の状態を取れるのだ。理解出来なくても落ち込まないでほしい。物理学者たちもわれわれと同様頭を抱えている。自然界とはそういうものなのだ。

ロスアラモスのスーパーコンピュータがこれ(原子13個の量子コンピュータ)に太刀打ちするには、数百京個のプロセッサが要る。そして単純計算では、三兆平方キロの敷地が必要となる。地球だけではまにあわない。地球の表面積はたった五億平方キロだ。目に見えない64ビットの量子コンピュータに匹敵するスーパーコンピュータを作るには、すべての海を人工の土地で敷き詰めたとしても、地球5000個分の土地が必要になる。
それが、たった1個の分子ですむというのだ。

人間の脳は、量子の法則を直感的に理解するようにできていない。

量子系では情報は常に保存され、過去は決して消えない。

もしかしたら、宇宙全体が量子コンピュータかもしれない。

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