犬の力

犬の力 上 (角川文庫)「このミス」で1位だったので、読んでみることにした。
しかし、普通のギャング小説にしか思えなかった。
残念。
どうもギャング物は合わないようだ。

メキシコとアメリカを舞台にした、ドラッグ・マフィアと捜査官の戦いが中心である。
メキシコのマフィア、ニューヨークのギャング、カリフォルニアの娼婦、捜査官たちの、まだ若く力のない時代から、のし上がっていく姿が描かれている。

それぞれのキャラクターはていねいに描かれおり、大河ドラマのような味わいがある。

なにより驚いたのは、メキシコ政府や国全体が、いかに麻薬マフィアに牛耳られているかと、アメリカが共産主義との戦いのために、マフィアと共生していることである。
当然小説なので登場人物や事件はフィクションだが、背景にある状況は、きっと真実なのだろう。
本当に、なにが正義かわからなくなってくる。

でも、所詮、西欧版任侠小説なんだよなあ。

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