沙門空海唐の国にて鬼と宴す3

沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ三 (角川文庫)前編(1、2巻)は楽しめなかったが、後編(3、4巻)は俄然面白くなって来た。
夢枕獏なので、伝奇アクションを期待していたが、実は歴史ロマンがメインの泣かせる小説だった。
先入観で読んではいけないということだ。

後半では、楊貴妃にまつわる隠された秘密が明らかにされていく。
楊貴妃が傾国の美女にされた理由は、魔道士(?)の悲しい怨念が元になっている。
その魔道士の弟子たちの悲恋も絡んで、世紀の悲劇は起こった。

そして、50年後に、全てのケリをつけるため、大魔術大戦が勃発した。
のだが、魔術合戦の描写はそれほど派手ではなかった。
それよりも、各人の悲しみに焦点を当てて描かれている。

漢詩を味わえる教養があれば、もっと楽しめたと思う。
自分の教養のなさが残念である。

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