いま、リチャード・マシスン再評価の機運が盛り上がっているらしい。
古くからのファンとしては、嬉しい限りだ。
そんな中で出版されたのがこの短編集である。
1950-60年代の懐かしいアイディアの作品が多い。
自分へのメモとして、各短編の特徴を記す。
ネタバレ注意!
「運命のボタン」
シンプルな猿の手テーマの作品である。
これをどのように映画化したのか、気になるところだ。
「針」
ヴードゥー教と多重人格の合わせ技。
「魔女戦線」
少女超能力部隊の無邪気で残酷な活躍。
「わらが匂う」
妻の遺産を相続した男の顛末。
「チャンネル・ゼロ」
TV画面から現れる怪物?
「戸口に立つ少女」
死神のような少女の恐怖。
「ショック・ウェーヴ」
意識を持ったオルガンの暴走。
「帰還」
未来調査に出かけた時間旅行者の悲劇。
「死の部屋のなかで」
田舎町に立ち寄った夫婦が経験する恐ろしい体験。
現代のスラッシャー映画に慣れてしまった私は、この話のハッピーエンドに驚いた。
「小犬」
死神小犬版かと思ったら、本当に怖いのはお母さんだった。
「四角い墓場」
旧式格闘ロボットを抱えたオーナーとメカニックの悲しい物語。
「声なき叫び」
超能力者として育てられた少年が、普通の社会に放り出された苦悩と希望。
「二万フィートの悪夢」
飛行機のエンジンをゴブリンが剥がそうとしている。
しかし、それが見えるのは自分だけである。
この本は、いつものハヤカワ文庫よりも文字が大きい。
SFファンの高齢化対策か?
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