夜を守る

夜を守る (双葉文庫)池袋ウェストゲートパークのアメ横版である。
いつもながらの石田衣良。
安心して読めて、元気をくれる本である。

アメ横に住む幼馴染+1人が行きがかりで始めたガーディアン。
アメ横の平和を守るといっても、主な仕事は放置自転車の整理と酔っぱらいの介抱である。
イケメンのひきこもり、ゴミ屋敷のババア、嫌がらせに苦労するヤクザ、DVのダンサーなど、色々な時間に巻き込まれ、個性的な人々と出会ううちに、退屈だった彼らの日常に自信と自負が生まれてくる。

ガーディアンという怪しげな権威には、どこか胡散臭さを感じる。
しかし、この本では、4人の日常があまりに情けないため、不信よりも感情移入が先に立つ。
逆に自転車整理と酔っぱらいの介抱ばかり続けていたら、すぐに飽きてしまうのではないかと心配になる。

池袋ウェストゲートパークと同じように、トラブルバスターのお祭り気分が全体のトーンである。
しかし、ガーディアンの地味な作業を、毎晩続けなければならない日常がある。
自分たちが望んで始めた地味な日常を、いかに続けられるかが彼らのテーマだという気がする。

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