ニーチェと言えば難解な哲学者というイメージがあるが、本書を読む限り、日常生活を重視した、明るく前向きな一人のようである。
それはなかっただろう、とつっこみたくなる表現も多いが、それが超訳なのだろう。
長いこと本屋で平積みされていたベストセラーである。
今更ニーチェでもないだろうと思ったが、読んでみるとなかなか面白い。
来世指向のキリスト教を否定して、現世での生き方を追及した哲学者だけあって、日々の生活で使える言葉に溢れている。
そして、元気をくれる言葉が多い。
私が気にいった言葉をいくつか抜粋する。
喜び方がまだ足りない
もっと喜ぼう。ちょっといいことがあっただけでも、うんと喜ぼう。喜ぶことは気持ちいいし、身体の免疫力だって上がる。
恥ずかしがらず、我慢せず、遠慮せず、喜ぼう。笑おう。にこにこしよう。素直な気持ちになって、子供のように喜ぼう。
喜べば、くだらないことを忘れることができる。他人への嫌悪や憎しみも薄くなっていく。周囲の人々も嬉しくなるほど喜ぼう。
喜ぼう。この人生、もっと喜ぼう。喜び、嬉しがって生きよう。必要な鈍さ
いつも敏感で鋭くある必要はない。特に人との交わりにおいては、相手のなんらかの行為や考えの動機を見抜いても知らぬふうでいるような、一種の偽りの鈍さが必要だ。
また、言葉をできるだけ好意的に解釈することだ。
そして、相手をたいせつな人として扱う。しかし、こちらが気をつかっているふうには決して見せない。相手よりも鈍い感じでいる。
これらは社交のコツであるし、人へのいたわりともなる。
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