映画化されたので筒井康隆の古典を読んでみた。
テレビシリーズは観たことがあるが、原作は読んだことがなかった。
今読んでも十分面白い。
超能力者の悲劇は、心打つテーマである。
読み始めて驚いたのは、出て来る男性全てが七瀬を犯す妄想を抱くことだ。
考えてみれば、七瀬シリーズは、テレパシー能力を持つ家政婦の七瀬が、その能力で人間の醜さを暴くのがテーマだった。
仲間を見つけ、敵の組織から逃亡する展開は、最終巻である本作だけである。
テレパス、念動力、透視、未来予知、タイムトラベルなど様々な能力を持つ超能力者が登場し、仲間になるだけでなく、敵対する事もある。
七瀬は、自分が超能力者として生まれて来た理由を探して求めるが、答えの見つからないまま、未成熟な人類に排斥されてしまう。
7-80年代のSF映画で育った私には、とても心地良いテーマの小説である。
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