テレビの大罪

テレビの大罪 (新潮新書)精神分析医によるテレビの持つ悪影響についての糾弾である。
近年、テレビの質の低下は目を覆うばかりだが、この本を読んで更に恐ろしくなった。

作者自身も言っているように、感覚的で根拠が薄いと感じられる意見も多い。
テレビの問題から外れて、違う話題に走っているところも散見される。
しかし、テレビを始めとするメディアに対する不信感は共感出来るし、コメンテーターとして出演していた経験のある作者の言葉は、リアリティがある。

特にバラエティ番組と化したニュース番組は、問題である。
特殊な事象しかニュースにはならず、その特殊な事例を、さも一般的な現象として演出している。
統計的な検証もせず、感情的に煽り立てる。

現代はインターネットで情報収集が可能であり、Ustream等で編集なしの映像を見ることも出来る。
都合の良い部分だけをチョイスするテレビ報道は、信頼されなくなって来ている。
尖閣諸島問題のデモが、日本国内でもあったことを報道したニュース番組はない。
これは恐ろしいことであり、中国や北朝鮮と変わらない。

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