メタルギアファンによるメタルギアファンのためのノベライズである。
「虐殺器官」で伊藤計劃に興味を持ったので、彼の数少ない著作を読んでみることにした。
しかし、アクションゲーム「メタルギアソリッド」をプレイしたことのない私には、いささか重い内容だった。
メタルギアソリッドは、プレステ等で有名なアクションゲームである。
アクションゲームをしない私でも知っているくらいのメジャータイトルだ。
そのメタルギアソリッドを、ファンでもある伊藤計畫がノベライズとしたのが本書である。
軍までも民営化され、戦争経済が世界を動かしている近未来を舞台に、元傭兵のスネークが全世界を戦争状態へ陥れようとする陰謀を阻止する。
ゲームを知らない読者でも楽しめるように、過去の背景が丁寧に語られる。
しかし、過去のゲームシナリオが重くて、ついて行くのが大変である。
新しいキャラクターが登場するたびに、背景が語られるので読むのがかなりしんどい。
認証システムを導入した兵器は、認証システムの乗っ取りにより無力化されるなど、面白いアイディアも多いが、伊藤計畫のアイディアか、ゲームの設定か、私には分からなかった。
きっと、ゲームのファンにはたまらない一冊なのだろう。
せっかくPSPを持っているのだから、ひとつプレイしてみるか。
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