両親を亡くした高校生が、不思議なアパートで、妖怪や変人に揉まれなが成長していく、心温まる物語である。
5巻でも、陰惨なバトルもなく、美味しそうな料理とハートウォーミングな交流のテンコ盛りである。
ただ、珍しく心配な要素が現れた。
アパートの地下の温泉に修行用の滝が出来た!のは、実はたいしたことではなく、主人公の夕士の学校に新しい教師が二人赴任して来たのが、今回のビッグイベントである。
夕士の担任の教師は、なかなかよく出来た男で、夕士を取り巻く「正しい大人」のひとりなので心配はない。
心配なのは英語担当の女教師である。
人の話を聞かず、正義を押し付ける。
「地獄への道は善意で舗装されている」と周りに言わしめるキャラクターである。
もうひとつの心配は、夕士の所属する英語クラブに入部した新入生だ。
こちらも人の話を聞かず、相手を見下し、孤立する。
姉に勝ちたいというコンプレックスに起因するようだが、扱いに困るタイプである。
5巻では、文化祭も終わり、担任の評判も無事回復し、ハッピーなエンディングだった。
しかし、珍しく2つの不安要素は解決せず、次巻に持ち越された。
さて、どう決着を付けてくれるのか。
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