帝都幻談

帝都幻談〈上〉 (文春文庫)「帝都物語」の幕末版である。
あの加藤が、幕末にも日本転覆を狙っていた!
さすが荒俣先生、と思わせる博物学的知識満載の一大オカルト絵巻だ。

時は幕末。
江戸市中に妖怪が跋扈していた。
裏で糸を引くのは、江戸の崩壊を目論む陰陽師の加藤。
加藤は、蝦夷の祟り神アテルイまでも復活させようとしていた。
迎え撃つは、平田篤胤と遠山の金さん。
日本中の伝説を取り込み、壮絶なオカルト大戦が始まる。

希代の博物学者荒俣先生なので、とにかく情報量が多い。
マイナー、メジャーな歴史的人物が次々と登場するので、その背景を思い出すだけでも、かなり疲れる。
出てくるアイデアも、民俗学の学説なのか、荒俣さんの思いつきなのか判別が付かない。

舞台や道具立ては正しく日本的だが、アクションなどはハリウッド映画のようなエンターテイメント性がある。
遠山の金さんが、ロシア由来の魔除けの呪文を、アルファベットで背中に彫り込んでいるなど、カッコいいことこの上ない。

妖怪達を退散させる手段として、不正確な和時計に対し、正しい時を刻む時計で魔の刻を無くすあたり、とてもオカルトっぽくて良い。

緊張感のない水木しげる大先生の挿絵は、ご愛嬌ということで。

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