クジラの彼

クジラの彼 (角川文庫)有川浩の自衛隊恋愛短編小説集である。
通常私が買うタイプの本ではないが、自衛隊3部作の外伝が3つも入っているので、押さえておくことにした。
怪獣も人類滅亡も関係ないが、微笑ましい小説ばかりだった。

「海の底」からは2作。
1作は、潜水艦に閉じ込められた士官候補生の内の、如才ない方が結婚するまでの遠距離恋愛である。
行き先も滞在期間も国家機密である潜水艦では、乗務員の恋愛がいかに困難か、よくわかった。
もう1作は「海の底」の続き、口の悪い方の士官候補生と、一緒に潜水艦閉じ込められた女子高生との後日談である。
泣いてばかりいた女の子が、キャリアになり、いつのまにか彼氏と同類の好戦的人間になっていたのには驚いた。
だからこそ二人は上手くやっていける、というオチが微笑ましい。

「空の中」からは、空中生物との交渉担当だった彼と女性パイロットの初デートである。
女性としての経験が皆無な彼女の反応が、いちいち可愛らしい。
そして、いい加減なようでいて、とてつもなく包容力のある彼が素晴らしい。
男性から見ても、理想のダンナである。

その他の短編で語られる、自衛官同士ならではの体育会系の恋愛話も面白い。
作者の自衛隊愛が感じられる短編集である。

[amazonjs asin=”4043898045″ locale=”JP” title=”クジラの彼 (角川文庫)”]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です