かねてから偉人伝を読み直してみたいと思っていた。
しかし、偉人伝は子供向けが多く、どれを読んだらいいのか迷ってしまう。
齋藤孝自ら偉人伝シリーズを出版しているのを知り、これを読んでみることにした。
いきなり「ユング」とは、マニアック過ぎるだろ!
薄くて、字が大きく、ブロック毎の区切りがはっきりしていて教科書のような本である。
これでもか、というくらいポイントがまとめられており、参考にしやすい。
しかし、ユングではエキセントリック過ぎて、通常の人間が参考に出来るネタとも思えない。
「私には超人的な力があった。私がこれらの空想の中にある経験しつつあることの意味を発見せねばならないことについて、最初から私の心の中には確信があった」と言い切ってしまう人なのだ。
各章の最後に「学ぶポイント」がある。
例えば、こんな感じ。
1.自分の武器をよく知って徹底的に使い続ける
2.自分の直感したことを信じる
3.感性の世界を究めるために強靭な知性を持つ
まとめるとそれらしいが、ユングの場合、考え方が強烈過ぎると思う。
それはそれとして、久しぶりのユングはとても懐かしく感じた。
高校の頃に傾倒した精神分析で、特にユングの世界は、科学というよりも神話・文学に近く、激しく美しい。
「ユングの理論は、正しいか間違っているかということだけで論じてはつまりません。人間がもっとも面白く感じられるようになる解釈なのです。そいしたとらえ方が大事なのです」
「ユング自伝 – 思い出・夢・思想」を読みたくなった。
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