なぜかハリウッドは、ディックの小説を映画化したがる。
そして、ほとんどは原作と全く違う内容になってしまう。
今回映画化された「アジャストメント」は、観てはいないが、原作とまるっきり違うと断言出来る。
原作は、シンプルで微笑ましい、アクション映画には成り得ない内容だからだ。
ディックの短編は、アイディア重視で、彼の魅力である不安定な世界を味わう間もなく終わってしまうものが多い。
この短篇集に収録されている作品は、短いながらもディックの世界が楽しめる逸品がセレクトされており、ディック入門としてもお勧めである。
まあ、なかには何を言いたいのかわからない作品もあった。
特に、ディック本人による最後のエッセイは、理解が難しかった。
人間は、右脳と左脳で別々の人格を持っており、普段は左脳の人格が優勢である。
眠っている時だけ、右脳から夢という形で情報が伝えれれる、というディックの発想は面白い。
以下の短編が収録されている。
アジャストメント
ルーグ
ウーブ身重く横たわる
にせもの
くずれてしまえ
消耗員
おお!ブローベルとなりて
ぶざまなオルフェウス
父祖の信仰
電気蟻
凍った旅
さよなら、ヴィンセント
人間とアンドロイドと機械
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