IT市場ナビゲーター2011年版

これから情報・通信市場で何が起こるのか ―IT市場ナビゲーター2011年版むかしから興味があったのだが、ボリュームがそこそこあるので手を出しにくかった野村総研によるIT系のトレンド分析報告である。
官庁の発表のような淡々したレポートを予想していたが、前半は思いのほか面白かった。

序章では社会インフラの話から入っている。
ITのトレンドに社会インフラが関わるとは、時代の変化を感じさせる。

社会インフラ構築におけるICT貢献の役割は次の4つが考えられるとしている。
・最適化機能
・複合化・横断化
・運用・監視機能
・ICTによるノウハウ、パッケージ化

電子書籍市場でAmazonが成功した要因を「コンテンツが安価かつ豊富であること」「コンテンツの購入が容易であること」「ユーザーが通信料金を支払う必要がないこと」と分析している。
また、電子書籍市場においては、書籍販売だけでなく広告ビジネスを含む新しい市場の創出を提案している。

朝から晩までカフェを梯子するノマドワーカーについても触れており、企業の組織ではなく個人のブランドで仕事をする時代を予想している。
twitterやブログで日々「資産」を積み重ね、自らの足跡でブランドを構築することが重要としている。

海外の人にJapan coolをサイトで評価してもらい、日本のカッコ良さを武器に商品を世界に発信していこう、という試みも面白い。
電気自動車のバッテリーで一世帯の電気を数日供給出来る、GROUPON成功の原因、地デジ移行時にテレビ視聴を辞めるユーザーがいる問題、反応による広告の自動生成など、幅広く現代的なトピックを拾っている。

全体的に震災以前に作られたレポートだなと感じさせる。
同じ2011年でも、4月以降ではかなり内容が違ったものになっただろう。

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