「告白」で、ダークだが清々しい倫理観を提示してくれた作者による文庫第2弾である。
人の死を見てみたかった少女たちのひと夏の物語である。
強いように見えるが荒んだ家庭環境の少女と、自分に全く自信のない少女。
二人は仲の良い友達である。
相手に依存しつつも、相手に負けたくないと思うような、ごく普通の女子高生だった。
痴呆症の祖母からの虐待や自信の無さから来る閉塞感が、読んでいて辛い。
ラスト近くでの爽やかな友情の再生が、むしろ意外だった。
しかし、そこは湊かなえの小説である。
ちゃんと、因果応報の終章が待っていた。
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