一日江戸人

一日江戸人 (新潮文庫)むかしから江戸時代には憧れていた。
時代劇の影響もあるが、半年半端仕事で働けば、半年は遊んで暮らせる江戸の緩さが好きだった。
この本を読んで、私の江戸時代のイメージがまだまだ甘いことを思い知った。

「たとえば、二人の江戸っ子が素寒貧でいる。
だけど、酒は飲みたいし、働くのは辛気臭い。
そこで、一人が鍋底の煤を顔に塗りたくる」
そして、二人で大道芸を始めるのだ。
江戸っ子は大道芸を見て、笑っただけで通り過ぎることはない。
必ず小銭をほうっていくので、二人の飲み代はあっという間に集まる。
それにしても、「働くのは辛気臭い」とは、想像の斜め上をいく。

当時医者の免許はなかったので、「髪を結うのが面倒になったから医者でもやるか」と言って、頭を剃って開業するからひどいものだ。

江戸人にとっては毎日が日曜日。
裏長屋に住む弥次さん喜多さんも、思い立ったが吉日で、家財道具を売り払い、気ままな二人旅に出かける。

こんないい加減で粋な江戸時代を、一度は経験してみたいものだ。

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