夜行観覧車

夜行観覧車 (双葉文庫)テレビドラマ化されて、とても売れている小説である。
私の中では連戦連勝だった湊かなえだが、この本はちょっと合わなかった。
今後、この方面に進まないことを願う。

高級住宅街における殺人事件が舞台である。
複数の人物の視点で事件が語られていく。
それぞれの不安と不満、憎しみを通して、高級住宅街における生活が描かれていく。

読んでいて、「そんなしょうもないこと考えても仕方ないだろ」と叫びたくなる。
高級住宅街のご近所という狭い世界の中での妬みと軽蔑が、延々と語られているが、私には全く共感出来なかった。

湊かなえの小説は、人間の暗黒面を描いているが、それにも関わらず突き抜けて爽快感のあるところが好きだった。
しかし、この小説には、そんな悪人も登場せず、救いがない。
いくらテレビドラマ化されて、ベストセラーになったからと言って、今後もこの傾向の作品ばかりにならないことを、ファンとして切に願う。

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