心の仕組み

心の仕組み~人間関係にどう関わるか〈上〉 (NHKブックス)人間の心は階層化されたモジュールによって出来ている。
むかしマービン・ミンスキーの「心の社会」で感銘を受けた理論を、さらに詳細に解説している。
進化的認知科学の入門書のようだが、なかなかヘビーな1冊である。

心はプログラムの塊だという考え方は、IT系の仕事をしている私にはとても理解し易い概念である。
そのプログラムは高度に専門化され、階層的に配置されている。
だから、最上部に位置する意識は、すべてを把握することは出来ない。

心も、生物他の機能と同じく淘汰圧によって進化して来た。
そして、現代に人類の心は、狩猟採集生活に適応するよう進化し、そこで止まっている。
だから、現代社会では様々な不整合が発生する。

生理学的側面や家族、宗教など様々な方面の研究成果でこの理論を検証している。
だから、とても情報量が多く、一度読んでくらいでは消化しきれない。
何度も読んでみたい1冊だ。

コンピュータが登場してついに、心霊主義的用語の実体が明らかになった、というほうが現実によほど近い。
信念とはメモリに格納されている記号列、欲求とはゴール領域に書き込まれる記号列であり、思考とは演算である。
知覚とはセンサーに励起される記号列であり、<試みる>とは、ゴールによって励起される一連の操作を実行することにほかならない。

目が完成するまでに、コンピュータ時間ではなく現実の時間でどれくらいかかるか推定するために、ニルソンとピルジャーは、遺伝率、個体数変動、選択優位の幅などを悲観的に予測し、シミュレーションに織り込んだ。
突然変異が、各世代で「目」のある1ヶ所でしか起こらないようにさえした。
にもかかわらず、平らな皮膚片が複雑な目になるまでには、わずか40万世代しかかからなかった。
地質学的にはほんの一瞬である。

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