冬のフロスト

冬のフロスト<上> (創元推理文庫)久々の「フロスト・シリーズ」新作。
安定の面白さである。

やる気がなくて、品性お下劣の中年刑事フロストが仕切る警察署は、今日も事件で溢れている。
未成年の誘拐、売春婦の惨殺、枕カバー怪盗、コンビニ強盗に暴れまわるフリーガンの一団。
錯綜する事件を、フロストはカンと運で、何とか解決していく。

フロストのカンは当てにならないので、読者も安心出来ない。
とにかく事件の数を減らしたいので、容疑者が見つかると、なんとか犯人に仕立てあげられないかと腐心する。
現実の捜査ならとんでもないが、フロストの多忙さを知っている読者は、フロストを応援してしまう。
眠る暇のないフロスト刑事の労働環境は最悪なのだ。

検死前の死体にタバコをくわえさせて、タバコを盗まれた、と騒ぐなど、お下劣なギャグは健在である。

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