今年の年末温泉は、大ヒットしたNHKの朝ドラ「あまちゃん」の聖地巡りだった。
図らずも、岡猿と企画が被ってしまった。
確かに私も「あまちゃん」にハマった人間だが、あのドラマはリアルタイムに楽しむものであって、終わってしまうと、綺麗に抜けてしまう番組でもあった。
たまたま今年の温泉当番が予約を忘れていて、焦って行ったことのある温泉地を予約したら、「あまちゃん」のロケ地だっただけのことである。
それにしても宮古は遠い。
朝7時に出発しても、初日は移動で終わってしまう。
日本海側は大雪だったようだが、太平洋側の東北道では、チェーンを付けずに乗りきれた。
途中、紫波サービスエリアのレストランで昼食を食べて、18時には初日の宿である「浄土ヶ浜パークホテル」に到着した。
浄土ヶ浜パークホテルは、思いのほか立派なホテルだった。
部屋はオーシャンビューで、夕食も豪華だった。
写真ではよくわからないが、巨大な皿に盛られた刺し身と野菜をしゃぶしゃぶで食べる。
刺し身はそのまま食べても良いし、しゃぶしゃぶにしても良いと言う。
悩ましい選択である。
食事の後は友人の持ち込んだ赤外線リモコンの戦車で対戦した。
小さいくせに良く出来ている。
リモコンで砲塔も回り、大砲を撃つと、実際に弾は出ないが、弾が出たかのように車体が下がる。
弾が相手の戦車に当たると、相手側の車体が震える。
そして、数発被弾すると、動かなくなる。
操縦の難しさもあって、なかなか盛り上がる。
しかし、命中判定が甘いので、射程外でも当たったことになってしまうのが残念なところである。
改良が待たれる。
2日目は、まず三陸鉄道 宮古駅である。
ドラマのロケでも使ったようだが、あまりに特徴のない駅なのでよくわからない。
とにかく運行している電車の本数が少ない。
時刻表は、簡単に暗記できそうだ。
次は、浄土ヶ浜の散策である。
夏は観光客が多いのだろうが、冬は寂しい限りである。
ビーチハウスも休業中で、青の洞窟までの船も出ていない。
しかし、人が少ないので、神秘的な風景を満喫出来た。
奇怪な岩とウミネコの群れが、いい雰囲気を醸し出している。
浄土ヶ浜レストハウスでは、名物の鮭が干してあった。
埼玉県民には珍しい光景だ。
また、このレストランはなかなかハイセンスなメニューが用意されている。
お腹が空いていれば試してみたかった。
その後は、龍泉洞に行った。
有名な鍾乳洞らしいが、鍾乳洞などどれも同じだと思っていた。
期待していなかったのもあるが、結構楽しめるイベントだった。
ライティングの色を変えながら見せる演出も上手いし、地中湖は迫力があった。
最後の登りは、登る前に体力を確認するだけあって、いい運動になった。
2日目の宿である 「新山根温泉 べっぴんの湯」には、17時くらいに到着した。
日帰り温泉客で賑わうこの宿は、国民宿舎のようなイメージである。
布団は自分で敷くし、トイレは共同だった。
しかし、料理は意外に豪勢で、刺し身の舟盛りも本格的だった。
お陰で食べ過ぎて、身動きが取れなくなった。
こうなると寝るしかない。
この頃多くなったパターンである。
最終日の最初は、三陸鉄道 久慈駅だった。
ここにはドラマで見たままのビルがあり、リアス亭でうに丼も売っていた。
やっと「あまちゃんツアー」らしくなって来た。
次に向かったのは、小袖海岸である。
主人公が海に飛び込んだ有名な灯台があり、海女さんたちが海に入る港である。
ロケ地に来たという感動は無かったが、海の水は透明度が高く、カモメが賑やかだった。
落ち葉のように、ヒトデが打ち上げられていた。
怒涛のあまちゃんツアーは続く。
最終回で主人公2人が走って入るトンネルのある陸中野田駅に寄り、夏バッパが大漁旗を振っていた海岸から堀内大橋を見上げた。
帰りの高速も順調だったのだが、鬼平の世界をイメージした羽生PAを見学した後に事件は起こった。
車のバッテリーが上がってしまったのだ。
JAFを呼んだが、到着するまでの1時間、PAのレストランは閉店してしまったので、車の中で待つしかなかった。
まあ、電話も通じない雪山の中でなくて良かった。
エンジンを止めて、かからなくなってしまうのは怖いので、その日は精算もせずに、順番に家まで送って行った。
帰宅が年を越えたのは久しぶりだ。