100円のコーラを1000円で売る方法3

100円のコーラを1000円で売る方法 3お手軽なストーリーで、最新のマーケティング知識を伝えるこのシリーズも3作目。
ひょっとしたら、エンターテーメントとしても優秀ではないかと思い始めた。

気が強く、回りを気にせずガンガン攻めるのが主人公の宮前久美。
中小企業向け会計ソフトを開発・販売する駒沢商会の商品企画部長兼営業部長である。
そのライバルが大企業向け会計ソフトの開発・販売のバリューマック社の内山明日香。
暴走しがちな久美にアドバイスを与えて来たのが、上司の与田誠だった。

その与田が駒沢商会を退社して、日本に進出して来た世界的な会計ソフト会社ガンジーネット・ジャパンの広報部長となり、二人の前に立ちふさがる。
ピンチに陥った2社は、生き残るために合併を決意する。

分かりやすいキャラクターに、お手軽なストーリー展開だと思っていたが、ここに来た、俄然面白くなって来た。

今回も、最新のマーケティング理論が紹介されている。
と言っても、フリーミアム辺りの理論は、IT系の仕事をしている人間には少し古く感じるが、一般的には知られていないのだろう。

今回の目玉であるフリーミアムのビジネスモデルの例として、架空の会計ソフトが紹介されているが、この会計ソフトが収益を上げる方法が、なかなかよく出来ている。

はたから見ていると、<ガンジーファイナンス>に出るのは単なる広告に見えます。
でも、じつは、そのユーザが買うものについて、市場の中から最安値が表示されているわけです。
だって、会社の支出は100%会計データとして記録されているんですよ。
しかも購入時期や購入先、単価などの購買パターンも完璧に把握できている。
この会計データを分析して、必要な時期にいままでの購入価格よりも安い価格で提示すれば、ユーザはかなりの確率で購入します。

また、真空管ラジオビジネスの衰退については、商品企画の難しさを実感させられる。

真空管ラジオのお客さんの声を聞きすぎたからよ。
真空管ラジオの愛好者は、トランジスタラジオなんてオモチャだと思っていた。
だから、真空管ラジオのユーザの声にいくら真剣に耳を傾けても、トランジスタラジオの要望なんて出てくるわけがない。
考えてみれば当たり前よね。
だって、トランジスタラジオを使いたい若者って、真空管ラジオメーカーが知らないお客さんなんだから。

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