着ることによって、人間の性格や能力さえも変えてしまうカエアンの服を巡る壮大なほら話、といったところか。
70年代を席捲したワイドスクリーン・バロックの代表作だが、いささか読みにくかった。
アニメ「キルラキル」の元ネタとなった影響か、絶版になっている本書をアマゾンで購入しようとしたら、2,000円以上の高値が付いていた。
たまたま友人が持っていたので、借りて読むことが出来た。
SF界における70年代のムーブメントであるワイドスクリーン・バロックを代表する1冊である。
ワイドスクリーン・バロックに対して私の持つイメージは、スペース・オペラに新しいアイディアを加えただけというもので、当時もあまり興味がなかった。
そのため、有名な本作も未読であった。
読んでみた感想は、やはりワイドスクリーン・バロックは趣味に合わない、ということだった。
宇宙に人類が進出した時代、カエアン産の衣服は、お洒落なだけでなく、人間の意識や能力さえも変えると言われていた。
カエアンの人々は何よりも服を重視し、その信仰を広げようとしていたため、他の勢力から警戒され、戦争の恐れさえあった。
服飾デザイナーのベデルは、カエアンの難破船から盗んだスーツを着たことで、人生が一変する。
一方、船団を率いる文化人類学者のアマラは、生まれた時からスペーススーツの中で生活する人々と遭遇し、カエアンの起源をそこに見るが・・・
アイディアとしては面白いと思うが、とても読みにくかった。
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