ヒューマン

ヒューマン  なぜヒトは人間になれたのか (角川文庫)NHKで放映された「ヒューマン」の解説本である。
最新の知見を取り入れ現代の人類学を紹介した「ヒューマン」も面白かったが、その撮影の経緯を語る本書も興味深い。
いま、人類学が熱い!と個人的には思っている。

本書は、以下の構成で人類の心と社会の進化を追っている。

第1章 協力する人・アフリカからの旅立ち
〜分かち合う心の進化〜

第2章 投げる人・グレートジャーニーの果てに
〜飛び道具というパンドラの箱〜

第3章 耕す人・農耕革命
〜未来を願う心〜

第4章 交換する人・そしてお金が生まれた
〜都市が生んだ欲望のゆくえ〜

人類学の最新の研究結果により、漠然と抱いていた常識が覆されるのが心地よい。
現代の社会や倫理を考える上でも、人類学的な知見が重要だと思う。
人間がなぜ今のような考え、社会を作っているのか、人類の歴史から見えて来ることも多い。
人類の進化の過程では重要であったが、現代では意味が失われた思想もある。

渡すことによって、その人が食べ物を手に入れて幸せになる。
その時点ではまだ私に幸せはないんだけど、共感する能力があれば、その時点での他者の気持ちが、自分の気持ちになるんですよ。他者の喜びを、我が喜びとできる。
それが、共感するということです。

不公正な彼らが社会で勢力を得れば、協力という美徳が崩壊します。
だから、社会を保護するため、罰という手段が必要です。
その罰をきちんと行うため、人を罰したいという本質的な欲望が必要です。
この結果を見れば、それは、相手の痛みを見る快感がもたらしている可能性があると思います。

この問題ー食料が満たされると、子どもが増え、新たな食料源を探す必要に迫られるという悪循環ーはじつは、私たち人類史の底流にある普遍的な問題である。

飛び道具を使う前は、協力できる集団のネットワークは、どんなに多くても150人程度だったでしょう。しかし、飛び道具を狩猟の道具だけでなく、治安維持のための道具として使いはじめてからは、それが数千人の規模になり、より大きな社会的な協力を維持できるようになったのです。

そもそも類人猿の社会は、優劣がはっきりした階級社会で、平等ではない。人類の遠い祖先もおそらく不平等の社会をつくっていたはずだ。つまり平等主義に基づいた社会は、人類が誕生し、その進化の過程で築きあげたものなのだ。
そこまでして、不平等を排し、平等社会を築いた理由は明確だ。
そのほうが進化上、有利だった。

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